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ITコンサルティング事業

アサヒビジネスソリューションズ株式会社小林様

ー 開発部門を横断する品質活動「PMグループ」の取り組み ー

「小さなチェックや確認の習慣が、プロジェクトの大きなトラブルを防ぐ。」
 部門を横断した地道な品質活動が、開発組織全体の品質を底上げする

アサヒビジネスソリューションズ株式会社では、ソリューション第1本部の開発第1〜4部を横断する品質向上グループ「PMグループ」が、プロジェクトのリスク管理や進捗管理の品質を支えています。
2020年の発足以来、地道な取り組みを積み重ねてきたPMグループの活動について、開発第4部 部付エキスパートエンジニアの小林美佐代様にお話を伺いました。

小林様のご担当とPMグループについて

松澤 本日はお時間をいただきありがとうございます。まず、小林様のご担当・お役割について教えていただけますか。
小林 開発第4部に所属し、部で引き受けている開発プロジェクトのPL(プロジェクトリーダー)としての活動が主になります。PLとしてプロジェクト管理や、プロジェクト関係者との調整などを担当しています。
また、PMグループの活動では、第1〜4まである開発部門を横断的に見て、品質向上の取り組みを推進しています。
松澤 PMグループとはどのような組織・グループなのか、概要をご紹介いただけますか。
小林 PMグループは2020年4月に発足した、特定の組織に所属しない横断的なグループです。開発部門のメンバーと、各部の部長層で構成されています。
品質マネジメント部が会社全体の品質向上を担っているのに対し、PMグループは品質マネジメント部ではできない、開発部門に特化した品質向上を目的としたグループです。両者が連携しながら、より細かな現場レベルの品質活動を担っています。
松澤 小林様がPMグループの活動に関わるようになった経緯を教えていただけますか。
小林 各部から選出されたメンバーで構成されており、前任者の異動に伴い、交代する形で携わるようになりました。
過去に参画した大規模プロジェクトでは、専任の要員による進捗管理・課題管理を経験したのですが、自社案件のプロジェクト管理とはやり方が大きく異なり、非常にきっちりと管理されていました。その経験から、自社のプロジェクト管理にも課題があるのではないかと感じていたこともあり、PMグループとして組織を横断した活動に取り組める機会が持てたことに、とてもやりがいを感じています。

PMグループ発足の背景・課題

松澤 PMグループが発足した背景や、当時どのような課題があったのかを教えていただけますか。
小林 開発部門では、プロジェクトのリスク管理や進捗管理が、各プロジェクトのリーダーや部門に委ねられており、横断的に状況を把握・改善する仕組みがありませんでした。プロジェクトが問題を抱えていても、部門をまたいで早期に気づく体制がなかったのです。また、Redmineのチケット管理や見積書の作成方法など、開発現場のノウハウが属人化していた部分も大きな課題でした。
こうした問題を組織横断で解決していく必要があり、PMグループがスタートしました。
松澤 「横断的なグループ」という形をとったのはなぜでしょうか。
小林 開発部門の品質課題は特定の部署に限った問題ではなく、各部門に共通するものが多いからです。各部が個別に対応しても非効率ですし、ノウハウやルールがバラバラになってしまいます。
横断的なグループとして動くことで、全部署に一貫した品質基準や手順を普及させることができますし、ある部署での成功事例を他の部署にも展開できます。そこが横断型の強みだと思っています。

主な取り組み内容

松澤 PMグループの主な取り組みについて、全体のラインナップを教えていただけますか。
小林 主な活動としては、リスク管理表の更新状況チェック、Redmineの利用状況のチェック、Redmineのテンプレート管理とチケット更新状況の分析、社内のレビュー役割表の更新などがあります。
また、直近ではリスクマネジメントの勉強会開催や、見積書テンプレートの作成方法説明会といった、開発部門への教育・啓蒙活動にも力を入れています。
松澤 特に中心的な取り組みである「リスク管理表チェック」について、詳しく教えていただけますか。どのような運用をされているのでしょうか。
小林 一定以上の予算額の開発プロジェクトを対象に、リスク管理表が適切に作成・更新されているかを毎週チェックしています。プロジェクト開始時にリスク管理表を共有いただき、毎週リスクのウォッチ状況を確認します。
チェックではリスクの更新状況の確認だけでなく、リスク内容そのものも確認しており、顕在化して課題として管理すべきものがあれば担当者に指摘し、対応依頼も行っています。リスク確認ができていないプロジェクトがあれば併せて指摘し、その状況を部長層に定期的に報告します。

横断活動の難しさと工夫

松澤 部署をまたいだ横断的な活動ならではの難しさや、工夫されていることはありますか。
小林 各部署にはそれぞれの文化や進め方があるため、統一したルールや手順を普及させるのはなかなか難しい部分があります。一方的な押しつけにならないよう、「なぜこれが必要か」という背景や目的をきちんと説明することを大切にしています。
また、部長層との定期的なミーティングで状況を報告することで、現場だけでなく管理層も含めた共通認識を作っていくよう心がけています。

活動の成果・現場の反応

松澤 PMグループの活動を通じて、現場での変化や効果を感じていることはありますか。
小林 リスク管理表チェックについては、定期的にウォッチする仕組みができたことで、プロジェクトの担当者自身がリスクを意識するようになってきたと感じています。チェックされていることで「確認しなければ」という習慣も身についてきているのかなと思います。
また、Redmineに登録することで、各プロジェクトのチケットの更新状況の分析、週報によるプロジェクト状況、リスク管理の状況と、プロジェクトの開始から終了まで定性面と定量面の両方から状況を確認できるようになり、透明性が増したと感じています。
松澤 品質マネジメント部や部長層からの評価・反応はいかがですか。
小林 リスク管理表のチェックについては品質マネジメント部からも評価をいただいており、部長層からも定期的な報告を通じて評価をいただいています。

あえてお伺い──課題・改善点

松澤 あえて聞かせてください。PMグループの活動における課題や、まだ改善できると感じている点はありますか。
小林 取り組みの定着という意味では、まだ道半ばだと感じています。チェックする仕組みはできてきましたが、社員が自発的にリスクを管理・更新するカルチャーの醸成には、もう少し時間がかかると思っています。
また、勉強会や説明会の参加率・定着率をどう高めるかに加え、PL未経験者や、一時的に参画される協力会社の方への周知の仕方も課題と感じています。一方的な周知ではなく、現場が使いやすい形にブラッシュアップし、根気よく啓蒙し続けることが大切だと思っています。

今後の展開

松澤 今後PMグループとして取り組んでいきたいこと、展開したいことはありますか。
小林 今年(2026年)はリスクマネジメントの勉強会をさらに充実させていきたいと考えています。勉強会をきっかけに、作成している動画の存在も知ってもらい、質疑応答の場も作っていきたいと考えています。
松澤 最後に、同様の組織横断的な品質活動に取り組もうとしている企業の方へ、一言いただけますか。
小林 横断的な品質活動は、すぐに目に見える効果が出にくいものです。地道な取り組みを積み重ねていくことが大事だと思っています。ただ、小さなチェックや確認の習慣が、プロジェクトの大きなトラブルを防ぐことにつながっていきます。
まずは一つ一つ、小さな取り組みからでも始めていただいて、現場の反応や状況を見ながら少しずつ広げていくのが、長続きするコツではないかと思います。
松澤 本日は大変貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
小林 ありがとうございました。

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